協働誘発型組織と自主自考人材が持続可能な成果を紡ぎ出す(株)リンクスビジネスラボラトリー
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代表山田主規コンサルタントコラム


今回は、組織の現場や研修の場で散見される、
同様の情報、同様の時間、同様の予算、同様の資質、同様のスキルを持ったチームなのに、何故、成果と行動が違うのか?

と言った状況にフォーカスし、その原因と対応を探っていきたいと思います。


近年、「限りある研修予算と時間の有効的活用」と言った風潮が高まる中、従来のような「講師によるロジカルシンキング手法や問題解決理論の知識伝達」ではなく、「現場の生の課題やケースを活用した、実践的問題解決ワークショップ」を通じて、リーダーや職場のエースが現場で活用できる実践力を開発したいと言う依頼が増えて参りました。

多くの場合、クライアント企業の課題を事前調査・収集し、必用に応じて加工し、その課題解決を、ワークショップ形式で、現役の経営コンサルタントが実践的に介入し、参加者の論理性や問題解決力向上を図っていくのですが、一律的に進めてしまうと、その成果物がチームや人材によって大きく変わってしまうと言うことが発生してしまいます。


勿論、スキルの差もあるかと思いますが、ロジカルシンキングやフレームワークに対するノウハウはレクチャーや演習を繰り返し、同程度の習熟レベルまで引き上げてのことです。


高い成果(物)を出すハイパフォーマンスなチーム(や人材)と、成果(物)が出せないローパフォーマンスなチーム(や人材)ではどんな違いがあるのか?

コンサルタントとして、実際のワークショップに介入させて頂くと、そこには、問題解決のプロセスにおいて、「なるほど」と思わせる、いくつかの違いが見出せます。

ハイパフォーマンスチーム(や人材)では、例えば原因分析において、組織のタブーや自分自身の問題と言った生々しい原因や根本的なことについても深く追求していくのですが、ローパフォーマンスチーム(や人材)では、きれいな言葉でまとめた一般論や自分や自分のチーム以外の他者の責任に偏重してしまう傾向があります。

解決策や対応策についても、ハイパフォーマンスチーム(や人材)が、まるで運動会のようにエネルギッシュに様々な視点から多様なアイデアを創出し、上司をも唸らせる(時には絶句させる)プランを選択するのに対し、ローパフォーマンスチーム(や人材)では、お通夜のように言葉少なく、伏し目がちに、いつも上司が言っている内容を踏襲するような“正解”や、評論家のように“いかに難しいか”を述べ、最後は予定調和的なプランを選択していきます。

また、メンバー同士の関わり方においても、ハイパフォーマンスチームでは、違和感を直ぐに口に出す、納得いくまで議論をしようと言う姿勢や言動が目立つのですが、ローパフォーマンスチームでは、違和感があっても口には出さず、メンバー同士が葛藤をしないように、お互いに遠慮しあったまま、なんとなくの“心もとない笑顔”で進んでいきます。

これでは、いくら同様のスキル、同様の手法を活用しても、結果(成果)は大きく変わってしまいます。

では、何故、同様の武器(能力・スキル)を持っているチームや人材に、このような違いが発生してしまうのでしょうか?

それは、一言で言えば「そこまでやる目的や意義」を持っているかどうかにあると言えます。

人間は誰でも「安全・安心でいたい」と言う本能的な欲求を有しており、「できれば争いたくない」「できれば安全を脅かす領域に立ち入りたくない」と自動的に判断し、選択しています。むしろ、そうでなければ、命がいくつあっても足りません。ただ、この本能的欲求のやっかいな点は、「“自動反応”なので、挑戦や葛藤が必要な時も常時作動してしまう」と言うことです。

ローパフォーマンスチーム(や人材)が、優れた武器(能力・スキル)を持ちながらも、問題解決プロセスや成果が消極的・妥協的になってしまうのは、「安全・安心自動反応」が大きく影響していると言えます。

逆に、ハイパフォーマンスチーム(や人材)が、「安全・安心自動反応」に取り込まれず、パワフルなプロセスや成果を生み出すのは、「安全・安心を冒(おか)してまでも挑戦する目的や意義を有しているから」に他なりません。

ですので、当社では、ローパフォーマンスチームに対して単純に、「努力論や人格論で叱咤激励する」と言うことはせずに、先ずは

「あなたが本当に大切にしたいことは何か?」
「あなたが本当に手に入れたいことは何か?」
「あなたが本当に歩みたいキャリアはどんなものか?」
「あなたはどんな人生を歩みたいのか?」
「それは、安心・安全を冒してまで取り組む価値があるのか?」

 

と、正論やべき論ではない、その人の中にある「目的・意義」、いわば内的エネルギー=真のモチベーション(心の種火)を見出すサポートを実施します。


これまでの500社を超える本アプローチによる介入を実施してみて実感していることは、真のモチベーション(心の種火)を見出したチームや人材は、驚くほどそのプロセスにおいて変化すると言うことです。

当社のスタッフでも、最近、周囲からも、目に見える大きな変容を遂げているスタッフがおります。
もともと、人間性もよく、スキルもある人材なのですが、言われたことはそれなりにこなすが、今ひとつ安全圏を越えるような、挑戦的姿勢に欠けている傾向がありました。その変容のはじまりは、「生まれてくる子供に偽者の笑顔で生きている自分を見せたくない。真実の人生を生きている自分を見せたい」と言う自らの「種火」に出会い、そして、その道を生きる決意をしたことでした。

今回の主要テーマである「成果と行動を左右するもの」。

それは、「確かな武器(ロジカル思考や問題解決手法)」と「パワフルなモチベーション(安全・安心を冒すに値する目的・意義)」の二つの高次バランスである。と言えるでしょう。
我が社の「あの部門」「あのチーム」「あの人材」。叱咤激励や教育をしているけれど、成果と行動が今ひとつ・・・と言うリーダーや人材開発ご担当の皆様。

「思考(ロジカル)」と「心(モチベーション)」の二つの高次バランス。この視点から、もう一度、見つめなおしてみては如何でしょうか?