「経営理念」の効果的浸透法8 /最終回
理念を絵や写真と共に伝えてみる
8回にわたってお届けした「経営理念の効果的浸透法」。今回は最終回です。
早速ですが!!
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「私たちはそれぞれの大切なものを犠牲にしないそんな職場を創って参ります」
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さて、
最初の文章のみのものと、2つめの写真入りのもの
どちらが、伝え手の想いが伝わってきましたか?
そして、どちらが心動いたでしょうか?
何人かの皆様に二つを見比べて貰ったところ、8割の方が、後者と答えました。
そうなのです。
私たちは単に「整理された文章」だけで伝えられるよりも
多くの感覚=五感(聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚)に訴えて伝えられる時の方が、
遥かにものごとを心を伴って受け止めることができるのです。
前回ご紹介した
「理念の意義・意味が腑に落ちないためのメンバーの抵抗」解除4つの方法
◆理念を「絵や写真と共に伝えてみる」
◆そう思うに至った「体験談を語る」
◆理念を共有できる「共通体験をする」
◆そして、「あるべき論や正論」ではなく、「自分の魂が動く事柄(スピリッツ)」を話す
の一番目
◆理念を「絵や写真と共に伝えてみる」
これも全く同じ原理なのです。
経営理念を構築する際、一般的に、伝える方は、自らの様々な経験や体験に基づいて、そのエッセンスを洗い出し、
それを磨き深め、そして最後はシンプルな言葉や文章にきれいにブラッシュアップしてメンバーに伝えていくわけです。
即ち、経営理念を生み出す素となっている、
「多様な経験・体験の部分」≒「豊富な五感の部分」
を削除してメンバーに伝えていくことになります。
勘の鋭い方はお気付きの通り、
メンバーは、あなたの持つ経験体験=豊富な五感を共有することなく、ただ文章=聴覚のみで理解を強いられるのです。
ある意味、あなたと同じように理解できなくて当然なのです。
とは言え、
あなたと同じ経験・体験をさせるとなるとこれはこれで多くの
時間とコストが必要となり、あまり現実的とは言えません。
そこで、
人間の五感の中でも、情報量が一番多いと言われている「視覚」を併用して活用することが効果的です。
これは映画の体験でわかるとおり、
音(聴覚)と映像(視覚)の二つが満たされると、人間はかなりリアルにそのものごとを疑似体験することができるのです。
例えば、ホラー映画をみて
それが映画であり作り物であると頭では分かっていても、思わず冷や汗をかいたり、
鼓動や呼吸が早くなったり思わず声をあげてしまったりということが起こります。
つまり、理屈を越えて、体と心全体で、臨場感高く受け止めているわけです。
この人間の特性を活かして、経営理念の理解深化を図って参ります。
即ち、経営理念をメンバーに説明するときに、最後の成果物としての「言葉(文章)」と併せて
その理念が具現化された時の最高の状態を写真にして伝えていくのです。
それでは具体的方法を説明します。
■ステップ1
先ずは、シンプルな理念(言葉)になる以前にあった、
様々な希望や志を希望・志シートの「希望・志」欄に再度描写してみましょう。
【希望・志描写シート】←クリックしてシートを開く
■ステップ2
次に、その「希望や志」の表現素材の洗い出しを行います。
「これが実現した状態をタイムマシーンに乗って覗くことができたら、そこに見えるのはどんなシーンだろう?」
「もし魔法が使えて、明日目が覚めて、それが120%実現していたら、そこには何が見えるだろう」
「誰がいるだろう?」
「どんな表情をしているだろう?」
という質問を自分にドンドンしていきます。
そして、思いついたキーワードを「表現素材の洗い出し」欄にメモして下さい。
■ステップ3
最後に、表現素材が洗い出されたならば、その素材を表現している
写真を集め、一枚の画用紙に貼りつけていきます。
写真は、雑誌や写真集から切り抜く、Webから(例えばグーグル「画像」から)切り取るなど、
社内で使う文には版権的にも許される範囲ではないかと思います。
繰り返しとなりますが、視覚情報は言語情報よりも格段に情報量が
豊富であり、伝え手のイメージや想いを一気に高めることができます。
これは、付加的効用ですが、写真集を創るプロセスで、
自分自身の理解度やモチベーションも飛躍的に高まっていったと言われるリーダーが大変多いのです。
これまで紹介してきたいくつかの方法と組み合わせて展開することで
あなたの組織に経営理念が砂漠に水を蒔くようにしんしんとメンバーの深いところに浸透し、
必ずや周囲が観を細めるような、眩しい輝きを解き放つこととなるでしょう!