「経営理念」の効果的浸透法7

どうしてメンバーは抵抗するのか?

さて、突然ですが質問です。
「近くにとっても美味しい洋食屋さんがあるから行こうよ」
と誘われたらどうするでしょうか?

多分、抵抗なく行くのではないでしょうか?
では、「美味しい洋食屋さん」であると納得したから行くのでしょうか?
勿論、そういう場合もあるかとは思いますが、

大抵は、
「近いし、大したリスクもないし、他に特別にいきたい店があるわけではないし、彼(彼女)が言うのだから行ってみるか」
という具合に、
「さして行きたくない理由がないから行く」
というのが、本音のところではないでしょうか。

では、同じ方から
「ここから車で5時間、一人あたり3万円は掛かるけれど、美味しいがレストランがあるから行こうよ」
と誘われたらどうでしょうか?

勿論、
「時間もお金も持て余していて、他に行きたい所もない」
「彼(彼女)の言う事は盲目的に全て受け入れる」
という場合は抵抗なく、行くかも知れません。

しかし、
「あなたには他にも大切な用事があるとしたら」

そして、あなたにとって
「5時間」と「3万円」
という資源がとても貴重なものだとしたらどうなるでしょうか?

「まて、まて、美味しい洋食屋だけじゃ分からない。もう少し詳しく教えて欲しい」
という、もう少し腑に落としたい気持ち(即ち、府に落ちてない気持ち)が湧き上がるのではないでしょうか?

そうなのです。
「理念の意義・意味が腑に落ちないためのメンバーの抵抗」でも同じことが起こっているのです。
通常、経営理念は抽象度の高い文章にまとめられることが多く、「言葉」としては理解できるものの、その言葉の奥底にある
「大切な想い」を実感できていなかったり、そのイメージが描けないために発生する抵抗です。

以前にもお伝えしましたが、この場合、往々にして
「言っていることはわかるのだけどピンと来ない」
「きちんと説明してもらったことがない」
「きれい事な気がする」
といったような声が囁かれたり、或いは、それ自体を口にすることができず、分かったフリ(パフォーマンス)をしたりします。

では、「そのお店のことをもう少し詳しく聞かせて」と、
あなたが友人から聞かれる立場であったら、どうするでしょうか?

きっと
「そこのHPやパンフレットを見せる」
「自分が利用した時の体験談を紹介する」
「お互いが共通に体験しているお店やものごとに例える」
ということをするのではないでしょうか?
しかも、情熱を持って(本当に一緒に行きたいのであれば)!!

そうなのです。
「理念の意義・意味が腑に落ちないためのメンバーの抵抗」解除法も同じなのです。

◆言葉を「絵や写真に表現してみる」
◆そう思うに至った「体験談を語る」
◆理念を共有できる「共通体験をする」
◆そして、「あるべき論や正論」ではなく、「自分の魂が動く事柄(スピリッツ)」を話す
この4つなのです!!

次回以降に、その方法について具体的にご紹介いたします。